VR時代のUIデザインとは?


はい、こちらぽんぽこ商j...株式会社トンガルマンのデザイナーのKです。
(振り返ってみるとまだ外線を取る機会が1回もない...笑)

VRとは?


弊社でOculus Riftに代表されるVR」を体験できるデバイスのコンテンツ開発をやっております。
まずVRとは何なのか?ということから始めると、


VR=Virtual Reality(仮想現実)
の意味であり、一般的にはコンピューターによって現実ではない空間を作り出し、何かしらのデバイスで人の感覚を突き動かすような信号をアウトプットするものです。


今、盛り上がっている多くのデバイスは「ヘッドマウント型」と呼ばれる“視覚”に訴えかけるものがほとんどですが、VRの定義から言えば、他の感覚を仮想に体験できるデバイスもVRデバイスとして考えられるでしょうし、そうしたものも今後もっと盛り上がってくると思います!



さて、今回はVRコンテンツのUIデザインで気をつけたいことと、参考書籍の紹介をしたいと思います。


コンピューターとUIの歴史


まず、簡単にコンピューターと人との歴史を振り返ってみましょう。
もともとコンピューターは今のように誰もが簡単に使えるものではありませんでした。
スマホのようなGUI(画像で操作する)ではなくCUI(プログラムで操作する)で簡易な計算処理を出力する装置でした。しかし、パロアルト研究所というところで、より人間の感覚に近い操作が可能なコンピューターが発明され、現在多くの人が利用するPC、タブレット、スマホのようにコンピューターと人間はどんどん身近な存在になっていきました。



その過程でUIはどうやって設計されてきたか、iOS6→iOS7の例からデザインの変化を考えてみます。



現実世界をヒントにする


iOS6は現実世界の物質をメタファーとして設計されていました。なので、初めて触る時でも「ここは押せそうだな」とか「これは選択されているな」とかといった感じで“類推”できるようになっていました。しかしiOS7ではアイコンなどから質感が消えて、直接的な現実世界の表現がそぎ落とされました。

このころから面白い話を耳にするようになりました。
タッチパネルが普及した今、幼い子供たちがTVでクイズ番組を見ていると、答えの部分の画面をボタンと勘違いして押してしまうような光景が見られたということです。
これは「ボタン」という押せそうな物(に似ているもの)があるから押す。というのではなく画面に「四角い領域」があるから押す。というような感覚なのかも知れません。
タッチパネルの製品に触れている時間が増えればこういう感覚の人もきっと増えるはずですね。


現実世界をヒントにする-VR編-


では、仮想現実を設計するVRデバイスではどのようにUIを設計していけばよいでしょうか。これについては現在多くの研究が日々行われていますし、今の状況で明確な答えはないかなと考えています。しかし、現実世界と人間がどのように接してきたのか、認知しているのかという「人間工学」や「認知科学」の視点がヒントになるのではと思い、いくつか文献を紹介していきます。





認知科学者のD.A.ノーマンが1990年に書いた本です。古い本ではありますが、名著としてデザイン業界でもバイブルとなっています。本の中にある「アフォーダンス」という考え方はもともと物質としての「道具」の文脈で使われる視点ですが、VRでもこれを応用した考え方ができると思います。例えばVR世界でも人間の視点に対して「文庫本サイズの本」を置いておけばそれは「手に持つことができる」ことをアフォードする要素になると思いますが、「身長より大きな本」が目の前に出てきた場合「これは本の中に入れるのかも?...あるいはセーブポイント.....?」などと本来の本の道具としての意味とは違う視点をアフォードできるかもしれません。










渡邊恵太さん著の『融けるデザイン』はハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論というサブタイトルからも見て取れるようにインターネット時代の新しい認知論で、大変興味深く読めました。「投げたボールはどこまで身体か?」という章では「そもそも今の自分達はどこまで自分の身体だと認知しているのか?」という疑問を投げかけています。この視点はVR開発でも重要になってくることだと思いました。リンクは本書で紹介されているマウスポインタのインタラクションにいろいろと仕掛けを施したデモですが、確かに毎日マウスを使う私はポインタの先のわずかな変化が自分の認知に違和感を与えていることを感じ取れました。これはデジタル機器との接点が増えてきた現代ではユーザーの身体性が無意識のうちに拡張していることの表れかもしれません。










現代の魔法使いこと落合陽一さんの本です。コンピューターとメディアの変遷の話をサザランドから始まる歴史の紹介や西洋と東洋の文化性の違いなどと共に説いており、読み応えがあります。本書で紹介されている落合さんの作品はどちらかというと今までの定義でいうとARに分類されるのかもしれませんが、身体の拡張、空間の拡張という流れが今後どんどん進むと思うと、2つの視点はあまり区別することができなくなるのかもしれません。自然科学の範囲の話題も多いので結構難しい内容でもありますが、SFなどが好きな人は面白く読めると思います。本書で語られるデザインエンジニアリングの重要性も個人的に共感できたので、ぜひ読んでいただきたい一冊です。




まとめると、
やはりまだまだ正解が見えない「VR時代のUIデザイン」ですが人の夢の実現が可能なデバイスですのでいろいろ試行錯誤しながら心地よいUIを探していくのを楽しんでいきましょう!!


では、よい週末を。


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